でも、調べてみたら、世界にはいろんな色のなすがあるんですね。草土社「花図鑑・野菜」には、タイで栽培されているさまざまななすの写真が載っています。その色は、日本のなすに近いものはもちろん、黄色、オレンジ、白からピンクのグラデーション、茶色、緑、淡い緑、白、赤など。形もいわゆるなす形だけでなく、大中小の丸なす。ひしゃげたトマトみたいなもの。小さい球形のものは、ぶどうかさくらんぼを思わせる形をしています。
なすの原産地はインド東部という説が有力。日本へやってきたのは、インド⇒ミャンマー⇒雲南⇒日本というルートではないかともいいます。とすると、ミャンマー⇒雲南とともに、ミャンマー⇒タイがあったのは当然でしょう。
なすが初めて日本に着いたのは約1200年前。その後さまざまな品種が生まれましたが、ほとんどすべてがなす紺のなす形のなす。写真で見るタイのなすたちは、その前にはもっとバラエティ豊かな色と形があったことを教えてくれます。
さて、「マクアポッ」のパッケージには生食できると書いてあります。で、ちょっとかじってみました。皮はそれほどかたくなく、パンッと張りきっていて、パリパリ感があります。渋さやえぐみもありません。なるほど生で食べられる。でも、色や形からみても、すごーく新鮮という感じはしない。やはりカレーの方がいいでしょうね。
タイ風カレーをつくることにしてスパイスコーナーに行ったら、とーっても便利なものを見つけました。グリーンカレーペースト、ココナッツミルクパウダー、ナムプラー、バイマックルート(こぶみかんの乾燥した葉っぱ)のセットです。これはいい。ナムプラーは別として、次に使うチャンスがすぐに来るとは思えないし。そんなものが台所に増えていくのは、うれしくないし。
材料は、マクアポッのほか、鶏肉、しめじ、ピーマン。サラダ油を熱し、グリーンカレーペーストを袋から押し出して加え、香りが出るまで炒める。鶏肉を加えて炒め、お湯で溶いたココナッツミルクとバイマックルートを入れてちょっとコトコト。この葉っぱ、スープの中でごそごそしてじゃまなんですが、そこがアジアっぽい。しめじ、マクアポッ、ピーマンを加え、火が通ったらナムプラーと砂糖で味を調節してできあがり。けっこうおいしくできました。さらさらしたカレーで、ごはんによくあいます。
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